平成29年に酒税法が改正されました。その大きなポイントに、酒類の品目の定義の変更を挙げることができます。とりわけ発泡酒の定義の変更は、ビールと発泡酒のあり方に新たな展開をもたらすものとして話題を集めています。

 この改正については経過措置が設けられ、一定の期間を置いて段階的に実施されることになっていますが、その最初の改正が今年4月に迫っています。品目の定義に加え、酒類の製造・販売に関わるいくつかの変更をピックアップしておきます。

酒類の品目の定義等に関わる改正

 改正内容は以下のように段階的に実施されます。

平成30年4月1日から実施される改正

 ビールの麦芽比率の下限が現行の約67%から、50%まで引き下げられるとともに、使用する麦芽の重量の5%の範囲内で使用できる副原料として、果実及び香味料が追加されます。これによりビールの範囲が広がり、新しい商品の開発が活性化することが予想されます。

 また、果実酒の範囲に「果実酒にオークチップを浸してその成分を浸出させたもの」が加えられます。

平成35年10月1日から実施される改正

 発泡酒の範囲に「ホップ又は一定の苦味料を原料とした酒類」及び「香味、色沢その他の性状がビールに類似するもので苦味価及び色度の値が一定以上のもの」で発泡性を有するものが加えられます。

平成38年10月1日から実施される改正

 「その他の発泡酒類」の範囲が、「アルコール分が11度未満」に改正されます。(改正前は10度未満)

輸出酒類販売場制度

 輸出酒類販売場制度は、訪日外国人旅行者を対象として、消費税法に定める輸出物品販売場(いわゆる免税店)の許可を受けた酒類製造者等が販売した酒類について、消費税に加えて酒税も免税とするものです。この制度は、平成29年10月に発足しており、1月1日現在で、許可件数は全国で101件に上っています。許可の申請は、輸出酒類販売場の許可を受ける場所を所轄する税務署になります。ただし、消費税の輸出物品販売場の許可と同時に申請するときは、消費税の輸出物品販売場許可の提出先に併せて提出することができます。海外での日本酒の評価が高まる中、酒蔵ツーリズムといった新たな試みが話題になっていますが、輸出酒類販売場制度は、こうした取組みとの連携も図られています。

酒類販売管理研修の義務づけ

 酒類小売業者(酒類製造業者又は酒類卸売業者であつて酒類製造業者及び酒類販売業者以外の者に酒類を販売する者を含む)は、販売場ごとに、酒類販売管理者を選任しなければなりません。この酒類販売管理者については、指定された団体が行なう酒類販売管理者研修が実施されていますが、今回の改正によって次のような取り扱いになっています。

  1. 酒類販売管理者は、過去3年以内に酒類販売管理研修を受けた者を選任すること。
  2. 酒類小売業者は、その販売場ごとに、公衆の見やすい場所に、酒類販売管理者の氏名、最後に酒類販売管理者研修を受けた日などを記載した標識を掲げなければならない。

 

 このほか、酒税の税率の改正も酒類の品目の定義の変更と併せて施行されることになりますが、この改正のタイミングに従い、手持品課税ないし手持品戻税の措置が講じられます。すなわち、改正実施日(午前零時)における手持品について酒類業者からの申告に基づいて、課税または戻税の措置ができることとされています。