欠格条項削除法は、営業許可の分野では、旅館業法、医薬品医療機器等法、建設業法、宅地建物取引業法、旅行業法その他大半の業法で欠格条項の見直しを図っています。法人関係では、特定非営利活動促進法、宗教法人法などが該当しています。

 府省令等の整備が必要なものが多く、その施行はもう少し先になりますが、いくつかその内容について見ておきます。

 建設業法では、建設業の許可を受けるために必要な要件(有資格者、財産的基礎、信用など)と、許可を与えることができないいわゆる欠格条項とを定めています。このうちの欠格条項の一つとして成年被後見人等が指定されているのですが、欠格条項削除法ではこの部分について、次のように改正しています。

 第8条に、第1項から第13項までに該当するものは「許可をしてはならない」としていて、その第1項に「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」(旧)とあるのを、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」(新)に改正しています。

 すなわち、「成年被後見人若しくは被保佐人」を削除しているのですが、これに加えて第10項として(以降項番を順次繰下げ)、「心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの」を新たに追加し、全部で13項目あったのを14項目にしています。この第10項が省令で整備されることになります。

 なお、建設業は元請として行う下請契約の規模によって一般建設業と特定建設業に区分され、それぞれについて許可要件と欠格条項が定められています。第8条は一般建設業に係る規定になりますが、特定建設業もこれを準用することになっていますので、欠格条項についての改正内容は特定建設業も同じ扱いになります。

 ほかの業法についても似たような扱いになっています。いちいち挙げるのは煩雑ですので、もう一つだけ、旅行業法についてその部分を見ると、

 「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」(旧)とあったのが、「心身の故障により旅行業若しくは旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」(新)

 と改正されています。この場合は、建設業法のようにべつに項を追加するのではなく、同項内で、省令で定めるものという表現に改めています。業法によってこのように条文の表現の仕方は異なっているようですが、それは許可要件(欠格条項)の規定そのものが一様ではないので、こうした違いもあるようです。

 営業そのものの許認可を定めた業法とはべつに、営業(資格を含む)と一体となった法人格を定めた法律があります。宗教法人、医療法人など、これも多岐にわたりますが、NPO法(特定非営利活動法人法)について見ておきますと、NPO法人の役員になることができない者として、「成年被後見人又は被保佐人」(旧)という項目があったのを削除し、新たに「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定めるもの」(新)という項目を加えています。

 このように、営業の許認可を定めた法律の多くが、成年被後見人等を欠格条項から削除するのと併せて、べつに不適格と思われるものを府省令等で定める(個別審査規定といいます)という形を取っています。個別審査規定については、各省庁から考え方などが示されているようですが、具体的な実務の要領がまだ分かりませんのでここでは触れずにおきます。