食は細い方なので、話題に拘るわけではないのですが、地産地消がらみでもう一つ、福岡県のGAPの取組みについて拾います。

福岡県GAP認証制度というのが今年2月にスタートしています。GAPは、Good Agricultural Practiceの略で、日本語では〈農業生産工程管理〉と訳されています。もともとは欧州の小売業界団体が提唱したもので、農業生産物の安全性などへの関心の高まりに伴って、それを担保する基準として拡大し、日本でも2005年頃からこれを取り入れています。

そして今これが注目されている理由の一つに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける食材調達基準として採用されていることがあります。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が定めた〈持続可能性に配慮した農産物調達基準〉には、調達の対象となる農産物について、以下の項目に配慮し、日本の法令等に照らして適切な措置が講じられていることを求めています。

  • 食材の安全の確保
  • 周辺環境や生態系と調和のれた農業産活動の確保
  • 作業者の労働安全の確保

そしてこの調達基準では、国内基準のJGAP Advance(ASIAGAPに改称)または、国際基準のGlobal G.A.Pの認証を得ているものはこの基準を満たすとしています。

福岡県GAPはこれに呼応するもので、上記の目的を達成するための点検項目を掲げ、これを達成するものを県GAPとして認証するという取組みです。その〈導入の手引〉からアウトラインを引きます。

  • 認証の対象となるのは、県内在住の農業者(個人、団体)
  • 対象品目は、野菜、果樹、茶、米、麦、その他作物(食用)、その他作物(非食用)
  • 点検内容は、「食品安全」「環境保全」「労働安全」をテーマにした80項目
  • 生産する品目ごとに申請して認証を受けます
  • 認証費用は無料。ただし、残留農薬分析、水質検査などの費用は自己負担
  • 認証の有効期間は2年間

なお、GAPの採用は、上の点検内容に沿った目的を達成できるのに加え、農業経営の改善や効率化を図ることができるというメリットも示されています。県GAP点検シートが、県や普及指導センターに用意されているそうで、希望者はそれを入手し、点検項目に従って生産工程の評価、改善等を行なったうえで申請するという手順になります。県内にはすでにGlobal G.A.Pを取得している生産部会等の団体もあるようです。農産物の輸出や国内市場への展開を考えるうえで、GAPは今後農業生産の大きなテーマとして、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、さらに拡大して行くのかもしれません。