6月15日に「住宅宿泊事業法」が施行されます。また、これに先だって、住宅宿泊事業者の届出については、3月15日から受付けが始まります(営業開始は法律施行後)。従来の旅館業法による運用から独立した新たな仕組みがどのように展開されてゆくのか、まず法律のあらましを整理しておきます。

 民泊は一般住宅を宿泊施設として提供するという新しいニーズに対応した営業形態になります。従って、住宅宿泊事業法では、その枠組みを明確にするために、「住宅」について、次のような定義を設けています。

  • 家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他のその家屋を生活の本拠として使用するために必要な設備が設けられていること
  • 現に生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間が満了した後に新たな入居者の募集が行なわれている家屋などで、人の居住の用に供されていないものと認められるものでないこと

 住宅宿泊事業法でいう住宅は、この二点を満たすものということになります。そして、その細かい内容については本法以外の法令等でもう少し詳しく規定されています。いわゆる民泊を住宅宿泊という名称の下に線引きし、そのルールなどを定めています。

 住宅宿泊にかかる営業については、業態に応じて次のような区分がされています。

住宅宿泊事業

 該当する住宅に宿泊料を設けて人を宿泊させる事業です。住宅の提供者は、住宅宿泊事業者として、都道府県知事(または保健所設置市長、特別区長)に所定の事項を届け出ることとされています。

 なお、住宅宿泊事業には、人を宿泊させる日数が一年間に180日を超えないことという条件が設けられています。その日数の算定については、国土交通省令・厚生労働省令によって細かい原則規定が設けられています。

住宅宿泊管理業

 提供する住宅の維持保全に関わる業務を住宅宿泊管理業務といいます。この業務に携わるには、住宅宿泊管理業者としての国土交通大臣の登録が必要です。登録の有効期限は5年間で、5年ごとの更新が必要です。

 なお、住宅宿泊事業者は自ら住宅宿泊管理業者としてこの業務を行なうか、次の場合は、ほかの住宅宿泊管理業者にこの業務を委託することとされています。

  • 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとしてべつに定める居室の数を超えるとき。
  • 届出住宅に人を宿泊させる間、不在となるとき(詳細規定あり)。

住宅宿泊仲介業

 報酬を得て住宅宿泊仲介業務を行なう営業を住宅宿泊仲介業といいます。住宅宿泊仲介業務とは、次のような業務をいいます。

  • 宿泊者のため、届出住宅における宿泊のサービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為
  • 住宅宿泊事業者のため、宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為

 住宅宿泊仲介業を営むには、観光庁長官の登録を受けなければなりません。登録の有効期限は5年間で、5年ごとの更新が必要です。

 旅館業法による営業と異なり、住宅を宿泊の用に供する場合は、宿泊者へのサービスのあり方、周辺住民との関係など、配慮すべき課題も想定されます。それらは地域によって事情が異なりますから、法律はその一部について、都道府県が条例によって制限を設けることができるとする規定を設けています。従って、この法律の実施に当たっては各都道府県の対応にも留意する必要があるでしょう。