3月4日の東京株式市場で日経平均株価が終値で、40,109円23銭をつけ、34年ぶりに最高値を更新したというので耳を疑いました。34年前というと、1989年でバブルの絶頂です。この後バブルが弾け、日本経済は泥沼に落ち、長い停滞を続けたという経緯でしょう。
その後退期からようやく抜け出そうとしているのか、とつい期待に胸を膨らませそうになりますが、日頃の生活感覚では景気が上向いているという気がしないので戸惑いもあります。実際、解説記事などをよく見ると、そう楽観したものでもないようです。
分析は冷静で、いくつかの要因が上がっていますが、目についたのは、海外投資家による買付が活発になっているということ。その背景として円安とか地政学リスクとかが挙げられています。企業の収益が上昇したのもあるということですが、これはコロナ以降の物価高を痛感しているのでなるほどという感じ。それともう一つ目に留まったのは、生成AI、半導体関連の関心が高まっていること。これは経済活動の新しい局面として注目されているのでしょう。熊本のTSMC、北海道のラピダスなどがしばしば報道を賑わせています。
筆者は、企業や官庁のオフィスにコンピューターが導入される頃、勤務先に導入されたNECのパソコンの表計算ソフトを使いこなそうと奮闘した口ですが、ワープロさえ玩具のようだった時代を思い返しつつ、今また新たな進化の過程を目にしているのかもしれないと思う今日この頃です。