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建設業決算変更届の実務について

猛暑日がいつまで続くかと思ううちにお盆を過ぎました。これから少しは和らぐだろうと期待したいところですが、長期予報は残暑も厳しいとのことですから、まだまだ体調管理に気をつける必要がありそうです。

建設業の決算書について、建設業会計に則った処理を行なうのに、オフィスソフトを利用する場合のことを前に書きました。筆者はExcelを使って勘定科目の振り替えなどを簡単な関数で指定して集計する程度ですが、もう少し楽にする手はないかと手の空いたときに、Accessなどを開いて試行錯誤して見ようかと思い、そのスケッチみたいなものを・・・

勘定科目の振り替えだけなら大した手間ではなく、入力用の科目テーブル(事業者の決算書のまま)と出力用の科目テーブル(建設業会計に対応)を用意し、入力用テーブルに入力した数値を出力用テーブルに置き換え再集計して吐き出すだけで済むでしょう。

ただ、Accessを利用する場合は、決算変更届の財務諸表そのものを出力するところまで仕上げたいので、勘定科目の振り替えだけでは終わりません。建設業会計では第一に、完成工事原価報告書が独自のものになっていますから、これについても単独の集計・出力システムが必要です。それと、固定資産の表示のしかたも所定の方式があるのでそれに従った処理を用意しなくてはならないでしょう。財務諸表の完成形まで作り込むとなるとけっこう手が込んだものになりそうです。

何より考えるべきは、これは事業者それぞれの会計処理があるのを、建設業会計に置き換えるものですから、汎用として誰でも使える設計は不可能だろうということです。はじめから建設業会計で処理するのが理想ですが、各事業者の実際に行なっている処理方法は事業者それぞれに異なります。このシステムでいえば、入力部分ということになりますが、それはただ勘定科目の扱いに留まらず、それぞれの事業者の運営のあり方によりますから、一通りではありません(兼業の場合を考えれば明らかでしょう)。

およその基本的なスタイルは描けますが、実務に当ってはそれを各社のやり方に沿って手を入れてそれぞれのAccessデータベースを用意するようになるでしょう。もとより、それが事業者がオフィスソフトを利用する本来の目的の一つといっていいのでしょうが、データベースなどはどこまで活用できるかとなると、人と手間と費用の問題がありそうです。

話は変わりますが、最近、LibreOfficeが新しいバージョンになっているのに気がつきました。これはオープンソースのオフィスソフトでマイクロソフト・オフィスと互換性があり、久しぶりに覗いてみると十分使えるものになっています。このなかにも、ワープロ、表計算、プレゼンテーションなどに加え、Baseというデータベースソフトが入っています。これは設計面ではAccessとは異なるのではないかと思いますが、単一の事業所で利用する分には十分な機能を持っているようです。いくつかの主だったOSに対応していますから、それはオープンソースであることと共にこのオフィスツールの利点かもしれません。候補として取り上げたかったのですが、今は手が回りませんので、今後の検討材料の一つとして着目しておきたいと思います。

 

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